50代女性|中途失明 A様
「毎日、服を選ぶのが楽しくなりました」
サポート後、ご本人が伝えてくださった言葉です。
そして、もう一つ。
「自分のことを見てほしいと思えるようになりました」
今回の一番大きな変化は、「どんな服を着たいのか分からない」という状態から、
「これは私に似合う」
「好き」
「着てみたい」
と、ご自身の気持ちや知識を手がかりに、服を選べるようになったことでした。
今回は、BLIND FASHIONの「服選び実践サポート」をご利用いただいたA様の事例をご紹介します。
ご依頼前のお悩み|「どんな服を着たいのか分からない」
ポケットがあること。
着心地がいいこと。
安心して着られること。
これまでは、そんな機能面を大切にしながら服を選んでこられました。
どれも、毎日を過ごすうえで大切な条件です。
中途で視覚を失ってからは、
「私は、どんな服を着たいんだろう」
と思い描くことが難しくなり、服を選ぶときには周りの方の意見を頼ることが多くなっていたそうです。
Before|着心地と安心感を優先した装い
サポート前は、グレーのゆったりとしたトップスに、細身の黒いパンツ。
動きやすく、安心して着られる装いでした。

【画像:サポート前|着心地と安心感を優先した装い】
では、これからどんな装いをしてみたいのか。
最初から、はっきりとしたイメージが決まっていたわけではありません。
そこで、
今の服にどんなことを感じているのか。
これから、どんな場面で、どんな自分でいたいのか。
一つずつお話を伺っていきました。
そのなかで出てきたのが、
「電車で通勤するときに着る服を変えたい」
という思いでした。
さらにお話を重ねていくと、
「丸の内で働く、素敵な大人の女性のようなイメージかな」
と、笑顔ではっきりおっしゃったのです。
そこで、
女性らしさがありながら、肩の力が抜けた、自然体で洗練された装い
を今回のテーマにしました。
これまで大切にしてきた着心地や安心感は残しながら、色や形の選択肢を広げていきます。
今回行ったサポート|触って確かめ、言葉で知り、自分で選ぶ
服選びを始める前、ご本人が笑顔でこう話してくださいました。
「今日はモデル気分で、試着を楽しみます」
店内では、生地のやわらかさや厚み、伸び方、服の形や装飾を、手で触れて確認していただきます。
色や全身のバランス、着たときにどんな印象になるのかは、具体的な言葉でお伝えしました。
そんな中、鮮やかな青のトップスをご案内したときのことです。
A様:「これは何色ですか?」
私:「鮮やかな青です」
A様:「じゃあ、これは私に似合う色ですね」
私:「そうです。お似合いになりますよ」
以前受けてくださったパーソナルカラー診断の結果を、ご本人自身が覚えていました。
診断結果を、ただ教わった知識としてではなく、自分で選ぶための判断基準として使っていたのです。
別のトップスでは、フリルに触れた瞬間、自然と表情がほころびました。
私:「フリルを触ったとき、自然に笑顔になっていましたよ。Mさん、お好きですね?」
A様:「好きです。かわいい。着てみたいです」
「これは私に似合う」
「これは好き」
「着てみたい」
ご本人のなかから、服を選ぶ言葉が次々に出てきました。
誰かに服を選んでもらう時間ではなく、A様自身が「着たい」と思える服を見つけていく時間になっていました。
サポートから見えてきたこと|「好き」が分からなかったわけではない
今回あらためて感じたのは、「どんな服を着たいのか分からない」という言葉の奥に、必ずしも「好きなものがない」という意味があるわけではないということです。
色や形、着たときの印象など、服を選ぶために必要な情報が得られると、
「これは似合う」
「これは好き」
「これは着てみたい」
と、自分の中にある感覚を確かめやすくなります。
服選びに必要なのは、誰かに正解を決めてもらうことではなく、自分で選ぶための手がかりを増やしていくことなのだと思います。
After|着心地はそのままに、明るく女性らしい通勤スタイルへ
これまで大切にしてきた動きやすさや安心感は、そのまま。
そこに、明るい色や女性らしいデザイン、全身がすっきり見えるバランスを加えました。

【画像:サポート後|着心地はそのままに、明るく女性らしい通勤スタイルへ】
1着目|白とくすみブルーで、明るく軽やかに
首元にやわらかな立体感のある白いトップスに、くすみブルーのワイドパンツを合わせました。
トップスには伸縮性があり、パンツにもゆとりがあるため、動きやすさも確保しています。
顔まわりに白を取り入れたことで、全体の印象も明るく、軽やかになりました。
2着目|鮮やかな青で、自分らしさを
鮮やかな青のトップスに、明るいベージュのスカートを合わせました。
ご本人が色を確認し、
「これは私に似合う色ですね」
と、自分で選んだトップスです。
青の鮮やかさをやわらかなベージュが受け止め、華やかさがありながら自然体で着られる装いになりました。
3着目|やわらかなジャケットで、きちんと感を
明るいトップスに、ニット素材のジャケット風カーディガンを重ね、深い青緑のスカートを合わせました。
ジャケットのようなきちんと感がありながら、やわらかく、体を締めつけない素材です。
ご本人が思い描いていた、
「丸の内で働く、素敵な大人の女性」
に近づく、自然体で洗練された装いになりました。
その後の変化|服を選ぶ時間が楽しみに
サポート後、ご本人からこんな言葉をいただきました。
「毎日、服を選ぶのが楽しくなりました」
「自分のことを見てほしいと思えるようになりました」
周りの方の意見を頼りながら選ぶことが多かった服が、
「今日はどれを着よう」
と、自分で考え、選ぶことを楽しめる服へ。
着心地や安心感を大切にしながら、自分らしさも装いに取り入れられるようになりました。
「自分のことを見てほしい」
この言葉が、今回の変化を一番よく表しているように思います。
この事例を通して伝えたいこと
今回大切にしたのは、これまでA様が大事にしてきた着心地や安心感を手放さないことでした。
そのうえで、
触感で、素材や形を確かめる。
言葉で、色や見た目の印象を知る。
知識を、自分で選ぶための判断基準にする。
一つひとつ手がかりを増やしていくことで、選択肢も広がっていきます。
服を選んで終わりではなく、
「なぜ、この服を選んだのか」
「次に自分で選ぶときは、何を確認すればいいのか」
そこまで言葉にすることを、BLIND FASHIONでは大切にしています。
自分が好きだと思えること。
自分に似合うと分かること。
そして、自分で納得して選べること。
その積み重ねが、服を選ぶ楽しさにつながっていくのだと思います。
服選び実践サポートについて
BLIND FASHIONの「服選び実践サポート」では、触感・言葉・知識を手がかりに、色や形、素材、組み合わせ方、選んだ理由をお伝えしながら、ご本人が納得して服を選べるようサポートしています。
今回ご利用いただいた「服選び実践サポート」の詳細はこちらからご覧いただけます。

